さのかずやブログ

北海道遠軽町からやって参りました、さのかずやと申します

反響まとめ。田舎からできることと、その可能性について。

思ってたより、深刻だった。
でも、思ってたより、もっといろんな可能性があった。







◇はじめに。


先月書いたブログ記事「無職の父と、田舎の未来について。」がものすごい勢いで拡散され、
本当にたくさんの反響をいただきました。
激励の言葉、同情の言葉、非難の言葉、様々な提案。
すべてきちんと受け取っております。

頂いたコメントや提案を整理してみると、
僕が衝動的に書き綴った前回の記事の状況を取り巻く問題の構造が、
少しずつ見えてきたような気がします。
そして、自分がこれまで知らなかった、たくさんの
「田舎に関する問題や解決策の提案、実際に取り組む人たち」が見えてきました。

それと同時に、僕が衝動的に投げかけた3つの質問が、
いかに的はずれなものだったかがわかってきました笑
そりゃ頂いたコメントや提案の方向性もバラバラになります笑


今回は、それらを踏まえた上で、
たまたま僕が知ることになった雇用・労働問題への取り組みを、
できるだけ多くの人とシェアしたい
と考え、ここでの「雇用・労働問題」を、

  • 一般的な田舎の雇用・労働問題

に絞って、皆様から頂いた反響の中の提案・実例を紹介していきます。

また、前回からあまり進展はないですが、前回の補足として、

  • 僕の父の雇用・労働問題

に落としこんで考えたこと、
みなさんのコメントやメール、リプライやメッセージを読んで僕が考えたこと、
僕自身ができることについて考えたことを記してみたいと思います。


おおまかなインデックス。


できるだけ多くのコメントを抽出して何日かかけて書いたので、
本っっっっ当に長いです。13,000字あります。卒論かよ。
でもこの記事が、田舎の労働問題についてのひとつのデータベースとして機能すればいいな、
と思ったので、分割する気にはなれませんでした。
時間があるときにでも、最後までお読みいただけると大変嬉しく思います。



◇雇用・労働問題について。

  1. 向上心があまりなく、身体が丈夫でなく、コミュニケーションが取りにくい人間に、できる仕事はあるか。
  2. そういった仕事を、人口100万以上の都市まで車で4時間かかるような、田舎に作ることはできるか。
  3. そういった仕事に限らず、都会から田舎に仕事を流すことはできるか。

上記の、前の記事における僕の投げかけについて、
皆様から頂いたコメントを元に大まかにまとめると、
以下のようになるかと思われます。


ーーーーーーーーーーーーーーーー
(1)諸々できない人に仕事はあるか
現時点ではほぼない。あっても(外国人も含め)誰かがやっている。
田舎だからないわけではなく、都会にもそんな人に仕事はない。
必要ならそういった仕事を創りだす必要がある。

(2)それ、田舎でできる?
(1)に書いたように、ないのだから、田舎に回せない。
あっても日本全体に余裕が無いのだから、田舎に回す余裕はない。

(3)都会→田舎に雇用を移せる?
(1)(2)の通り、田舎に回す余裕はない。
せいぜい大企業のコールセンターや工場、データセンターといったレベルだが、
最近はその動きも少ない。
田舎に雇用を生み出したいなら、田舎で事業を創りだすべき。
ーーーーーーーーーーーーーーーー


ホント、改めて考えてみると、
(1)(2)(3)の質問が全然独立してないですね笑
「ただの状況報告で済ませたくない」とつくった問いかけでしたが、
衝動的に書いた感じがありありと浮かんでしまっています。
ある意味噛み砕いた質問を載せたから広がったこともあるのかもしれませんが。

「障害者になった僕のお父さんを誰か助けてください」
という話ではないです。父については後述します。
「僕は都会で暮らしますが田舎を誰か助けてやってくれませんか」
という話でもないです。できる限り当事者として考えたいです。
前回の記事は誤解を招くような文章と問題提起でした。すみません。


それはともかく、皆様から頂いたコメントを整理してみると、
おそらく僕が提起した「雇用・労働問題」は、
範囲の広い(マクロな)順から以下のように分類されると思います。

僕は残念なから工学部なので、ミクロ経済とかマクロ経済とかの知識はまったくないです。
なので、僕の周辺から把握・理解できる範囲で話をしようとすると、
せいぜい色分けした部分くらいまでになります。

ベーシックインカムだとか、地方の交付金の問題とか、都会の向上心がない人の話とかは、
大事な問題だし、考えていかなきゃいけないことなんだろうと思いますが、
ちょっといまの僕じゃカバーしきれないです。すみません。


僕の父についても書く、と冒頭で述べましたが、
あんまり父の話にしすぎても、1ヶ月であまり進展もないですし、
内輪になりすぎても仕方ないので、
父に関しては主に前回の補足にとどめて、
今回は主に「一般的な田舎の労働問題」への提案を記していきたいと思います。




◇一般的な田舎の雇用・労働問題について。

ここでは、頂いた意見や提案の中から、僕の父に限らず、
日本の一般的な田舎の人にも言えそうな提案などを紹介していこうと思います。
「日本の一般的な田舎」の定義は難しいですが、今回の雇用・労働問題に限っていえば、
「移住せずに仕事を得るのが難しい場所」と考えてもらえれば概ね説明できるかと思います。

まずはコメントで多くの意見を頂いた、

  • IT関係のビジネスを行う。
  • 観光客を相手にしたビジネスを行う。

以上の2つについて考えて、
最後に他の提案をまとめて紹介したいと思います。


  • IT関係のビジネスについて。
    • 田舎でITビジネスをする。

まず「都会でも田舎でもできる仕事」といえば、
全世界で条件がほぼ変わらないインターネットを使ったビジネスを起こすことを、
ほとんどの人は考えるのではないかと思います。
パソコンとネット環境さえあれば、条件は同じのはずです。

ですが、田舎と都会で大きく違うのは、パソコンの前にいる人の条件だと考えます。
都会の場合は、身近に教えてくれる人がいるかもしれないし、
通える距離にIT系の学校があるかもしれません。
しかし田舎の場合は、教えてくれる人の数が圧倒的に少ないし、
日本中を相手に使えるレベルのIT技術が学べる場所もほとんどありません。


都会で十分なITスキルを身に着けた人の場合、
田舎に帰ってネットビジネスをするのは十分可能だと思いますし、
そういう人はたくさんいると思います。
僕の高校の後輩の親御さんにも、詳しくは存じ上げないのですが、
地方都市でネットビジネスに成功している人もいます。

ただ、そうでない人が同じ事をしようと思えば自分で勉強しなくてはならず、
自力で実用レベルに持っていくことがそう簡単でないのは想像がつきます。


以上から、プログラミングやHPコーディングなど高度なITスキルが必要なものは、
田舎に指導者を置く必要があり、あまり現実的ではないと考えます。
もしできるとしたら、都会で十分なITスキル・リーダースキルを身につけた人が、
田舎で意欲的な人を巻き込んで行う
、といったことではないでしょうか。
これは僕も見たことがあったりしたので、ちょっと調べてみました。


★田舎のベンチャーの例


宮崎のITベンチャー「アラタナ」
http://24h.aratana.jp/?p=1668
ヒルズ族よりノマド族(若者、地方へ) 低温世代の経済学パート4(1)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK21023_W2A320C1000000/
この記事を確か就活のときに読みました。


こういうのもありました。
起業家・公務員構想/佐賀県武雄市
http://hiwa1118.exblog.jp/16837400
ベンチャーの社長を集め、ベンチャー企業の集積地にしようという取り組み。


こういうのがこれから広がっていく可能性は十分にあると思いますし、
都会で鍛えられた若者たちが地元に帰って地元を盛り上げる、
といったことが全国的なムーブメントになるかもしれません。
僕もできるならそういうことに関わりたいと思いますが、今はまだわかりません。

「田舎のものをインターネットを通じて大衆に売る」という提案がありましたが、
「田舎のもの」に相当な魅力がないと難しいと思います。
うちの父が釣った魚を一般の方がインターネットを通じて買いたいとは、
なかなか思わないとでしょうし、現実的にも難しいと思います。


    • 田舎でITを通じて都会の人の仕事をシェアする。


SOHOについても考えてみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Small_Office/Home_Office
SOHOのサイトや仕事内容、賃金などもいろいろ見てみました。
確かにちょっとずつではありますが、あまり場所を選ばず、
自分のペースでお金を稼げる手段ではあるようです。

が、これは僕の個人的な感想になってしまうのですが、
自分の家にこもってパソコンと向き合って、
誰でもできる単純作業でちょっとしたお金を稼ぐことを、
田舎で「定職」だというのはなかなか難しいのではないか、
と感じてしまいます。

在宅でIT関係の仕事をしている人を馬鹿にしているわけではないです。
ネットビジネスをかたちにしている人は本当にすごいと思います。
もちろんSOHOでも、それは労働としての1つのかたちだと思いますが、
僕個人的には「田舎のビジネス」として、
もうちょっと別の形はないか考えてみたいです。



  • 観光客を相手にしたビジネスについて。

僕の地元の近くの町には、日本最大級のチューリップ畑があります。
海沿いの町までいけば冬には流氷が来ます。
ちょっと遠くには世界遺産知床半島もあります。
観光客を相手にしたビジネスというのも、
田舎のビジネスとしてはやはり代表的なものになるかと思います。

ここで、僕の地元の町を例に、
観光ブランディングについてちょっと考えてみたいと思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーー
☆僕の地元の町の例☆

じゃあ、例えば僕の地元の町には何があるのか。
数年前に大規模なコスモス畑をつくって公園にしたところがあり、
それが少しずつ認知度を上げているようです。
ですが莫大な観光客を生んでいるのかどうかは疑問です。


他に観光資源は何があるか。
僕の地元の町で全国的に有名なことは2つあります。
ガンダムと鉄道です。

コメントにもありましたが、僕の地元の町は、
アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインに携わり、
ガンダムをコミカライズ(アニメから漫画化)した安彦良和さんという人の出身地です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%BD%A6%E8%89%AF%E5%92%8C
それを利用してガンダムまちおこし!みたいなことも企んでいるようです。

もう1つの鉄道は、「入ってくる方向と出ていく方向が同じ」という、
全国的にも珍しい「スイッチバック」という形態の駅であることです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF
僕の地元の町の名前を言うと、鉄道に詳しい人なら知っていたりもします。


ただ、現在これらを観光の目玉にしよう!という動きはほとんどありません。
計画こそされているものの、実際に何か目立った活動は一切ありません。


ここからは僕の推測にすぎないのですが、
おそらく町にはこれらを観光の目玉に据える勇気がないのだと思います。
それはおそらく2つの理由があって、
1つは「目玉にするには中途半端」であること、
もう1つは「観光客をつかめた場合の町が想像できない」ことだと思います。


1つめ。
安彦さんに関して、僕の地元では名前は有名ですが詳しい人はほとんどおらず、
「なんか町出身でガンダムに関わってた人がいる」という程度です。
原作者、ともいいがたく、監督とかでもない。なんかすごい人。

駅に関しても、スイッチバックがこれといって愛されているわけでもないし、
地元の人は列車は滅多に使いません。田舎の車社会なので。
2つめの話とも関わってきますが。


2つめ。
おそらく、上のような理由から、
「地元の人たちが自信を持って売り出せる」というレベルでないため、
それで観光客が増えたとしても、町がよくなるイメージが持てないのだと思います。

たとえば、境港の水木しげるロードのような、
http://www.sakaiminato.net/site2/page/guide/point/miru/mizuki/mizuki/
わりと誰でもいくつものキャラクターを知っていて、子供にも愛される、
といったようなものであれば良いのかもしれませんが、
ガンダムがそうかと言われれば、もっとコアなファン向けになってしまうと思います。

東京の「ガンダムホテル」のようなものは、
http://photo.sankei.jp.msn.com/panorama/data/2012/0627gundam/
母体数が1,000万以上である中の何百人のコアなファン向けなのだろうと思いますが、
それを母体数が100分の1以下の田舎でやって成立するとはとても思えません。
鉄道に関しても同様のことが言えるかと思います。

箱根のエヴァンゲリオンまちおこしのような例もありますが、
http://matome.naver.jp/odai/2131035416203981901
あくまで僕の体感に過ぎませんが、ガンダムより若干ファン層が若く広いこと、
首都圏からの観光客を主な対象にできたことなどが背景にあったため、
成功したのではないでしょうか。


ちょっと話が逸れつつありますが、
「大都会から離れた田舎で、コアなファンを相手にしたビジネスは難しそうだ」
「田舎での観光資源は、都会よりも万人受けするものが望ましい」

という1つの推測です。旭山動物園とかのような。

こういう点で、僕の地元の町は受け入れられやすいコスモスを推している、
というところもあるのだと推測しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーー


町の人が一生懸命考えてなかなかできないんだから、僕が考えても難しいです。
ホントはターゲット絞ったりして考えたほうがいいのかもしれませんが、
このへんの話は僕が広告代理店に入って勉強したいことでもあります。
きっとこういう悩みを抱えた小さな自治体はたくさんあるんだろう。
という、小さな田舎町の観光ブランディングの一例です。


頂いたコメントから、
観光に関して一般的な田舎でも通用しそうな提案として、

  • 外国人観光客向けのビジネス
  • (外国人を含む)バックパッカー向けのビジネス

の2つがありました。


北海道は中国や韓国からの観光客が多く、
中国人が日本で一番行きたい場所であるようです。
先日友人とドライブにいった網走の能取岬にも中国人観光客が多くいました。
中国の映画のロケ地になっていたようです。
http://abashiri.jp/tabinavi/02spot/notoromisaki.html


また、海外の旅行ガイドに載るような、
外国人バックパッカー向けの宿をつくる、という提案もありました。
Lonely Planet(シェア世界一の英語の旅行ガイド)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88

また、これは僕自身の経験によるものですが、
大学生が国内をバックパッカー旅行するとしたら、
まずあてにするのはユースホステルや、
ウェブサイトがしっかりしている安宿だと思います。

こういったところなら、施設やウェブサイトの範囲である程度対応できるので、
個人レベルでも取り組めるような、
割と現実味のある方策
なのかなと感じました。
いかんせん初期投資がかかりますが…。


初期投資についての提案も頂いたので、ちょっと紹介します。



クラウドファンディングについて。


ここで、またちょっと話が逸れますが、
田舎でもある程度の初期投資が集められそうな方法である、
クラウドファンディングについて紹介してみようと思います。
クラウドファンディングについてご存知のかたは、
読み飛ばしてもらって構わないと思います。


クラウド・ファンディングってなんだ?
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1342070982767.html
ここ読んでもらえればだいたい分かると思います笑


Webサイトを通じてアピールし、大勢の人から少額の投資を募るシステムで、
目的や依頼主の属性などでいろいろ種類がある、というものです。
クラウドファンディング比較
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120406-00023384-r25


主だったものを下に紹介しておきます。

・READYFOR?
https://readyfor.jp/

・CAMPFIRE
http://camp-fire.jp/

KICKSTARTER(海外)
http://www.kickstarter.com/

・WESYM(社会貢献、個人レベル)
http://wesym.com/


500万円くらいまでなら工夫次第で実際に集めることができるようです。
海外サイトのほうが利用人数も多いと思われるので、
もっと集められるかもしれません。
それだけ集められればできることはかなり広がってきそうです。


ただそれでも、田舎でもなかなか難しいものがあります。
例えば僕の田舎でも、下宿やユースホステルに使えそうな大きな家は、
1000万くらいします。それのリフォームも考えれば全然足りません。
そのへんは、きっとやり方次第なんだと思いますが。

  • 他の様々な提案、実例のまとめ。

田舎に関する問題の最後に、IT関係・観光関係以外で頂いた、
田舎のビジネスに関する実例や、
田舎に対して様々な取り組みを行なっている人々を紹介しておこうと思います。


  • 新規事業コンペ

地方自治体主催で、地元の人たちに新規事業を考えてもらうコンペをやったらどうか」
という提案がありました。
やり方次第ではなにか面白いことができそうな予感がします。
本当に主催者のやり方次第になってきそうなところはあります。

かつては国の主導で、田舎ビジネスのコンペをやっていたこともあったようです。
http://consultant.news.biglobe.ne.jp/201010/article_1.html
現在はなくなっているようですが。


  • 農業の企業・会社化

農業法人 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E6%B3%95%E4%BA%BA
僕は全然知らなかったのですが、農業の会社化はいまどんどん進んでいるんですね。

農業法人について、ここにかなり詳しく載っています。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kobayasi/aguri/nougyou-company.html
大学でITを活用しているベンチャーのリーダーの講義に出たことがありますが、
ITを活用して合理的な農業を行なって利益を出している人たちもいました。
この記事にも載っていますが、田舎にそういった可能性はまだありそうですね。


最初はとりあえず田舎のコワーキングスペースについて探ってみましたが、
コワーキングスペースって結局なんなの」っていう疑問が湧いてきたので、
まずそれから調べてみることにしました笑

・最近San Franciscoで話題のCo-working Spaceまとめ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111027/223449/?rt=nocnt

僕は「ワークシェアリングをする場所」というイメージをしていたのですが、
どちらかというと、
「ネットビジネスで起業してる人たちが、各々の仕事しながら意見交換する場所」
というイメージのほうが正しそうです。
これって、先述したIT関連の話から考えると、田舎じゃ難しいのでは…?


と思って調べてみると、
田舎にも結構そういった活動をしている人がいるようです。
勝手に紹介させて頂きます。すみません。

・長野県伊那市コワーキングスペース「DEN」に行ってきました
http://y-karasawa.blogspot.jp/2012/04/den.html
・DEN
http://socialcoworkingden.com/

・奈良のコワーキングスペース「WAKAKUSA」
http://www.coworking-wakakusa.com/

コワーキングスペースを探せるウェブサイトがあるのも知りました。
http://www.coworking-index.com/


これってもしかして、先述した
都会で十分なITスキル・リーダースキルを身につけた人が、
田舎で意欲的な人を巻き込んで行う

に繋がるんじゃないか?と思ったりしています。


都会のコワーキングスペースは、
ITベンチャー系のスタートアップの人々が集まる場所のようですが、
田舎のコワーキングスペースはその形態にこだわらず、
地域のいろんな人が集まる場所になればいいのではないか。

そこから、一部でもいいから、技術を持った人たちが、
地域のアイデアをかたちにして発信できるような場所にできれば、
これも何か面白いことができそうな予感がします。


  • KNI

http://www.kni.co.jp
廃品回収ビジネス。障害者の方が行なっている仕事ですが、
田舎のビジネスとしても1つのかたちであるかもしれません。


http://ascii.jp/elem/000/000/635/635625/
「単純だけど人間の判断が必要になるような作業を創出」
「場所に関係ない雇用を生み出す」という点に関しては、
これからの大きな可能性があるのだろうと思います。


  • 葉っぱビジネス

http://news.canpan.info/2011/07/post-246.html
多くの人がコメントなどで触れていました。
田舎の葉っぱを料亭に卸して年商2億6千万円。
これも強力なリーダーの存在。


http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20120527/3.html
田舎の飛び飛びに開いた土地と高齢者の方々で小松菜を栽培し、
小松菜の一大産地を作り上げ、売上3億円。
このときのがっちりマンデー!見てすげーと思ってました笑


  • 新潟県・松之山 戸邊秀治さんの無農薬米作りの話

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071102/139544/
日本一高価なコシヒカリを作っている人の話。
田舎ビジネスの1例になるかもしれません。


  • 山崎亮さん

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E4%BA%AE

http://www.wagamachigenki.jp/saisei/02_s01.htm


前回の記事を書いたとき、内定者の友人に、
山崎亮さんの本を紹介してもらいました。ちゃんと読んでみます。
また、FBで海士町に住む若者の方にメッセージを頂いたりもしました。
人口4,000人の島で経済的に様々な実験を行なっている町らしく、
大学生のうちに一度行ってみたいと考えています。


http://www.riil.co.jp/newfile1.html
「コールセンターを誘致して田舎に雇用を創出する」
という提案を多くいただきましたが、そのためにはきっと、
やはりこのような強力なリーダーが必要なのかな、と感じます。


http://blog.goo.ne.jp/22jpgoo/e/5756c7cb29429b8cd77fe0a6939880e6

  • の、行なっている日本再生プログラム推進フォーラム

http://nipponsaisei.jp/

日本経済再生のために動いている人たち。政治的な話。


  • 茂木崇史さん

http://motegi-takahito-spp.seesaa.net/

  • の、作った組織。一般社団法人「まちの誇り」

http://www.machihoko.jp/
http://www.facebook.com/machihoko


Facebookで茂木さんからメッセージをいただきました。
東北復興をはじめとして、日本、世界の地域社会を盛り上げるために、
様々な取り組みをされているようです。
勝手に紹介させて頂いて申し訳ございませんが、
何らかの形で僕も関わっていければいいなと思っています。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%A4%E3%83%81

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%8F%E3%83%BC

「田舎が崩壊する」ことを予期していた学者さんたち。


  • ちょっと経済学的観点からのお話

http://rinta6u.com/misakubo/?p=174

メールで頂いた記事が、特に
■外貨を稼ぐ仕事と地域社会を支える仕事
の部分が大変わかりやすかったので、紹介させて頂きます。


町内と町外の境目がはっきりしている田舎にいると分かりやすいのですが、仕事というものは
ざっくりと「A.外貨(町外からの収入)を稼ぐ仕事」と「B.地域社会を支える仕事」に
分けることができると思います。
水窪の場合、Aは林業やお茶の生産や旅館、Bはスーパーやガソリンスタンドや居酒屋など。
地方から人口が減るプロセスは、
[Aの仕事が減る→Aに携わる人口が減る→Bの仕事が減る→Bに携わる人口が減る]
というものだと思います。
sanokazuya0306さんが望まれているようにより多様な雇用機会を作るためには、
「A.外貨を稼ぐ仕事」をその町に作って根本的な問題解決を図る必要があります。

こういう経済学的な観点からの構造的な見方も学んでいきたいです。





ということで、田舎の問題に関して総括すると、
田舎には周りの人たちを巻き込めるようなリーダーが必要。
どんな人でも、多くの人が集まって1つの方向に動くことができれば、
きっと何らかの可能性はあるし、成功例もいくつもある。

ということになるかと思います。


ここまで挙げたようなリーダーのような人が、
これからどんどん出てくるといいなと思いますし、
これを見て「これならできるかも」という人がいれば、
ぜひ何か行動に起こしてみてほしいです。

もしかしたら、
あなたがリーダー、あるいはファシリテーターになって地域を導けるかもしれません。
そうじゃなくて、たとえ自分が周りを巻き込む立場じゃなかったとしても、
たとえばクラウドファンディングに興味を持って見たり、参加するだけでも、
そういう人たちを応援する力が、確実に田舎を変える力になると思います。


人任せではなく、
僕もそういうことにいずれは関わりたいと思っていますし、
今できる範囲のことはなんでもやりたいと思ってはいますが、
今は何もかもなげうって田舎に捧げるというよりも、会社で働くなどしながら、
もう少し広く勉強していきたいと考えています。



以上が一般的な田舎の雇用・労働問題に対していただいた提案です。
ここから後は僕の父の話と、
父や家族に対して僕がこれからできそうなことの話、
最後に頂いたコメントに対する僕のちょっとした返答です。





◇僕の父の雇用・労働問題について。


ほぼ前回の話の補足・続きでオチもないので、
読み流してもらって構いません笑
最もミクロなレベルの対策、というか、主に僕の父の状況説明です。



前回の記事のコメントの中に
高次脳機能障害ではないか」
というコメントが多くありました。
しかし父は脳神経外科のリハビリは既に終えています。

高次脳機能障害の症状についても調べてみました。
http://koujinou.net/symptom/hbd.html
当てはまる症状はほとんどありませんでした。
http://koujinou.net/symptom/feelings.html
こういうのが当てはまるなら僕だって高次脳機能障害です笑


鬱の関係で病院にも通っていますし、
もし本当にそうであれば十分な診断を受けているはずです。
なので、高次脳機能障害である可能性は低いかと思われます。
したがって、障害者年金などももらえる可能性はほぼないと思います。

当然生活保護についても、前回書きましたが、
母がおそらく田舎の一般的水準の給与は頂いているので、
もらうことはないかと思います。


  • 再就職手当と、資格について。


「失業保険でも、途中で就職が決まれば残り期間の半額がもらえる」
という再就職手当があるとのことでした。

両親がそれを知っているかはわかりませんが、
精神的な安定が重要であることも踏まえると、
もう少しゆっくり考えたいという感じであったので、
知っていても途中で就職することはなさそうでした。
それが決して社会的に良いことではないとはわかっていますが。


先日、ホームヘルパーの資格を取るといった話をしていたので、
それを取るための期間とも考えれば、
ただ無駄に過ごしてお金だけもらうというわけでもないと思います。

その資格を取るのにも10なん万かかるということも言っていたので、
資格取るにしても負担はかなり大きいということを知りました。
そんなことも言ってられないんだろうなあ。



父の前の仕事は、高校を卒業して職業訓練で就いたものでした。
なので職業訓練については本人は知っていると思います。
ですが現在、職業訓練所はおそらく車で1時間の都市にしかなく、
各種給付があるとはいえ、通うのは難しいのでしょう。
ここもまた、向上心がどうとかの問題になってきます。


  • 働く場所、生活する場所について。


前回の記事で、
「地方都市なり、都会に出て行かないと仕事はない。都会でもごくわずか」
というコメントを多くいただきました。

しかし、僕の実家は持ち家でローンもないし、
僕の両方の祖父母も町内に住んでいますし、
僕の両親は一度も地元を出て暮らしたことのない人間なので、
町を離れる、というのは本当に最後の手段になるかと思われます。


このことについては、僕が前回書き漏らしたのが一番の失敗ですが、
これを読み取って、僕の言いたかったことそっくりそのまま、
記事にして書いて下さった方がいたので、紹介させて頂きます。

「都会に出て行けばいいじゃん」論について - クマ、北陸改め北関東にいます
http://d.hatena.ne.jp/funkybear/20121002/1349189926

そして、こういった実際的なデメリット以上に、住み慣れた家を離れることに対する心理的な抵抗感は、非常に大きいものです。それは理屈を超えたものです。
これらのデメリットを乗り越えても移住するというのは、現状維持では生活が成り立たない、という強い危機感、または切実な生活の危機が存在するか、都会に出て行くことに強い憧れがある場合のみではなかろうかと思います。

田舎で生まれ育ったりしないとなかなかわからないかもしれませんが、
大抵の、田舎で生まれ育って何十年もそこだけで暮らしてきた人にとっては、
他の場所に移り住むような勇気はまずないと思います。
これが、あくまで「田舎で(僕の地元の町で)働くこと」
にこだわって考える理由です。


  • 母の夢と、僕がサポートできることについて。


母はお金がないながらいろいろ考えているようです。
僕の母がカフェをしようとうっすら企んでいる話は前回しましたが、
高校生向けの下宿や、旅行者向けの宿なども考えているようです。
しかし宿泊施設にしようと思えば更にお金もかかります。
僕の家は住宅街の普通の民家なので、増築も難しそうです。

クラウドファンディングのところで述べたように、
田舎とはいえ、家を買うにも相当お金がかかります。
母は不動産屋で目当ての家の値段もチェックしてきたようです笑
クラウドファンディングで集められたとしてもなかなか難しいでしょう。
母の職場の人でこぞって宝くじを買っているようです笑


始めてしまえば面白いことも多く続けられるのかもしれませんが、
始めるとすれば今の仕事もやめなきゃならないだろうし、
始めること自体が相当勇気いることなんだろうなあ、
と半分傍観者ながらに思っています。


サポートできることはサポートしたい。
例えば、クラウドファンディングを募るなら、
僕が中心となって行なうことも十分可能だと思います。

実際に経営を始めてからの経営に関する話も、
僕や僕の周りにたくさんいる頭いい人からのアドバイスで、
良い経営アイデアを出すこともできると思います。


上で挙げた一般的な田舎における解決策の、
「田舎でリーダーになる」ということは現実的には難しいかもしれませんが、
「田舎のリーダーをサポートする」ということに関しては、
いろいろな手段があるだろうと考えています。

僕の母が考えていることが実行に移っていけば、
母がある意味でのリーダー、ファシリテーターになるかもしれないし、
父にもその可能性があるかもしれない。
そうなると、きっと僕にできることもたくさんあると思います。
そうなってみないと、わからないことは多いですが。


もうちょっと考えて、いろんな手段を調べて、母とも連絡取って、
これならいけそうだ!っていうのが掴めそうになったら、
サポートの立場で、でも主体的に、動いていけたらいいなと思います。
もし良いアイデアがあれば、ぜひなんでもお寄せ頂ければと思います。




◇多くの人のコメントと、僕の思ったこと。


ものすごくたくさん頂いたコメントの中から、
いくつか返信できるものに返信したいと思います。


・都会の大学生の賃金と田舎の正社員の賃金の比較はおかしい。
・月13万で働いている人に謝ってください。

単純に僕が額面をみて感じたことを表現したのですが、
家賃などの生活費が違うのに、都会と田舎を単純比較するのは間違っていました。
前回の記事の給与月額13万は手取りではなく額面です。


・地方の現状を「おかしい」と思うのでなく、受け入れてその上で何をするか考えるべき。
そうですね。状況を嘆くのではなく、
その状況で何ができるのかを考えないと何も良くならないですね。


・地方行政中心でなく「人中心」に変えていくしかない。
僕もそう思います。これはきっと全国的に、
どんな場面においてもそうならなくてはいけないんだと思います。
社会に出てからもそうなんだろうし、
大学でもきっと、学生が中心に変えていくしかないんだと思います。


・お父さんとよく話をされて、その内容を修正してサポートしてあげるのが、現実的な対応では?
そうですね。どのような形であれ、僕らの考えを押し付けるのではなく、
父の意思を尊重してサポートしていきたいと考えています。


・「向上心がない」のではなく、生きることに喜びを見いだせる生き方を模索してこなかったのでは?
そう言われてみると確かにそうなのかもしれません。
でも生活するだけで精一杯な人が多い田舎では、
そういうことを考える余裕がなかなかないのも現実なのかなーと思います。
「生きることに喜びを見いだせる生き方」って、難しいですよね。


・「地元をもっと良くしよう」と考えて行動しなければ、地元のもともと持つ「良い点」が「悪い点」に飲み込まれるだけだ。
それは今回いろいろ調べていく中ですごく感じました。
上記に上げたようなリスクのあるまちおこしも、場合によっては、
リスクを取ってでもやらなくてはならないときも来るのかもしれません。
そのへんのバランスを伺いながらやっていくのが、とても難しそうです。


・私は~をしているので、もし興味があれば連絡ください。
連絡先を書いてください笑
もしくはメール、Twitter等で直接僕に連絡をいただければありがたいです。


地方交付税は利権団体に流れている。
地方行政って難しい問題ですよね。田舎のコミュニティの問題もありますし、
なかなか一般市民の立場からのアプローチは難しい気がします。
そのへん僕は全然詳しくないのですが、
知っていてもなかなかどうにもできなそうですね。


・地方の公務員と民間労働者との格差が非常に大きい。
公務員と民間労働者の格差については僕もすごく感じています。
僕の高校の同級生は、来年大学卒業する人は、
かなりの数が地元の公務員を受けています。
そして、落ちている人もかなりいます。みんなどうするんだろう…。
田舎での「公務員」のイメージは凄まじいです。なんとかならないものか…。


・地方の暮らしに魅力を感じる価値観の創出が必要では?
そうですよね。
「田舎でどうにかビジネスする方法考えてください!」だけじゃなくて、
「田舎で暮らしたい!からどんなビジネスできるか考えよう!」
といった方向にも広げていけるような方法も考えたいですね。




◇最後に。


めちゃくちゃ長いうえに、話の展開もインデントもだいぶめちゃくちゃな文章を、
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます。丸2日かけて書いてます。笑
たまたま僕が知ることになった、
「田舎に関する問題や解決策の提案、実際に取り組む人たち」のことを、
できるだけ多くの人とシェアしたい、という一心で書いていたら、こうなりました。


僕は、前回の記事を衝動的に殴り書きするまで、というか、父の求人票を見るまで、
田舎にこんな複雑な労働問題があるとは知らなかったですし、
それ以上に、その問題に対してこれだけたくさんのアプローチを、
たくさんの人が考えたり、実際に行ったりしているということも、
ほとんど知りませんでした。問題意識を持って捉えたことがありませんでした。

でもきっと、これがはじめの1歩となって、
何らかの方法で、良い方向へ向かって進んでいけるんだと思います。


実際に多くの人から頂いた反響の中には、
「困ったらいつでも協力します」と言ってくださる人が大勢いました。
「『仕事』をテーマにした雑誌をつくるのですが、一緒にやりませんか」
と言ってくださる方もいました。
実際にいま、ブログの記事を中心に協力するお話が進んでいます。

きっとあの記事がバズった(拡散されることを「バズる」というらしいです)
分だけ、それだけ多くの人が田舎の未来に何らかの危機感を持っている、
ということなのでしょうし、
そういう人たちに向けて田舎の労働に関する情報をまとめておくことは、
きっといつか、どこかで何らかの意味を持つだろうと信じています。


この記事から何らかの解決策に繋がった人が、
あるいは何らかの行動を起こして、周りを巻き込んでいった人が、
いつか僕や、僕の父の元まで繋がってくることを信じています。
同様に、僕がいま起こせている行動が、メールを送って下さった方々のような、
田舎で困っている人たちにも繋がっていけばいいな、と思っています。


現状を変えていける人間にならなきゃいけない。
こんなふうに傍からなんだかんだ言ってるだけじゃなくて、
上で述べたような、田舎で活躍するリーダーたちを奮起させて、
支えられる人間になっていきたい。
そしたらきっと、少しずつ変わっていくかもしれない。




最後は綺麗事ばかりになってしまいましたが、
まだまだこれから大変なことばかりなんだと思います。
田舎のことについて、これを起点として、
継続的に考えていけたらいいなと思っています。


まだまだご意見、ご感想、ご提案などお待ちしています。
「何か一緒にやりませんか」といったことも、
僕のできる範囲で協力させていただきたいと思っています。

コメント、TwitterFacebook、またはメール
sanokazuya0306あっとまーくgmail.com
にお願いいたします。


最後までお読みいただきありがとうございました。



                                                                                        • -

こんな文章が書ける人になりたいなあ。

■「そんなの知らないよ」と彼女は - デマこいてんじゃねえ!
http://d.hatena.ne.jp/Rootport/20121011/1349961364