どさんこ田舎者、東京でいろいろつくる

北海道遠軽町出身、さのかずや26歳。大学院を経て、再び東京で会社員。無茶と繊細さと賢さとバランス感覚。

「イアマ速報」をやって考えた、「邪悪でないメディア」のつくりかた

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「イアマ速報」というWebページをつくりました。


iamasokuho.gifu.jp
このページトップなのにめっちゃSEO低い


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座談会もやりました



「イアマ速報」って何なの?

IAMASオープンハウスまでの30日間、
IAMASの情報を30日間休まず投稿し続けたよ。

記事一覧はこちら
サムネが全然出ないね!


ぼくがやったのは、
文章、SNS運用、諸々の小ネタの収集、取材交渉
とかそのへんだよ!ちょっとProcessingも書いたよ!
ビジュアルプログラミングとかWeb更新とかを、
Shunya Matsuno氏にやって頂いたよ!

毎日ネタを考えながら3000字とか書くの相当しんどいね。
2時間インタビューを5000字に絞り込みとか、
あと10日間なのにネタがないとか、
日々死ぬかと思ったよ!

原稿ゴタゴタの中、1日も休まず更新に付き合って下さった、
Shunya Matsuno氏には感謝しきれません!
書き溜めるとか言ってたくせに、
最高ストック2日間で本当にすみませんでした!



なんでそんなことしたの?

入学してしばらく経って落ち着いてきたある日、
IAMASって知名度低すぎるよね、という話になったのです。
あとネット上にIAMASの情報がなさすぎるよね、という話。
入ってみてわかったけど、狭すぎて必要な人に必要な情報はすぐ回るから、
外に出す必要ないんですよね。めっちゃ納得。

じゃあなんかそういう情報いっぱい出してみようか?
ポータルサイトみたいなのできないかね?
どうせだからオープンハウスに合わせてなんかやろうかね?
とかいう話をいろいろと話していたのです。

そんな深夜2時くらいに、
「イア子とマス男ってキャラクターがIAMASを紹介する」
みたいな座組おもしろくね…?
みたいな話でめっちゃ笑ったのです。
今思うと、頭大丈夫か?と思ってしまいますね!

「イアマ速報」って名前もそのタイミングで出てきて。
Matsuno氏が「いいねいいね」ってゲラゲラ笑って、
とりあえず乗ってくれるタイプだったので、
勢いで転がすことができました。本当に最高です


あと個人的には、「邪悪でないメディア」を作りたい、
という思いがありました。

広告の会社で、メディア畑で2年間働いて、辞めて。
学校の先生方をはじめ、いろんな人と話しましたが、
やっぱり、マスメディアとか、広告代理店って、
世間的には「絶対的な悪」なんですよね。

広告代理店の愛する元同期やすごい先輩方、
お世話になったテレビ局などのメディアの方々、
ぼくの知り合いがどんなにいい人でも、
外から見たらやっぱり「悪」でしかなくて。

それは説明したくらいじゃとても避けられなくて。

世の中から悪く見られることはいっぱいあるけど、
それでもメディアや広告代理店の役目(の一部)は、
世の中になくてはならない部分があると思っていて。
コミュニケーションの潤滑化とか。情報共有とか。

その役目を、一般的に悪と見られている、
「メディア」「広告代理店」という形式以外の形で、
代替することはできるのか?

もしくは転換していく方向はあるのか?
ということをなんとなく考えていました。



それでなんか意味あったの?

最初の1発目はまあまあバズったし、
結局1日も休まず30コ+1コの記事を上げられたし、
いろんな方からいろんな反響を頂けた
(くらいには見てもらえていた)し、
良かったのではないかと思っています。

↓一発目の記事
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IAMASokuho


気づいたことが本当にたくさんあったのですが、
4つだけ書いておこうと思います。



4つもあんの?

30日間やったので収穫が多かったということです、
許してください



1つ目:IAMASの先生方の寛容さがすごい!

IAMASの先生方ってすごいんですよ。
普通、勝手に学校のあることないこと書いたら、
怒られるじゃないですか。

後述しますけど、だいぶ勝手なことしたので、
先生方の間でも議論が起こったりしてしまったようです。

でも、「よくわかんないからやめてくれ」とは、
絶対におっしゃらなかったんですよね。

ぼくはこれまで、たぶん全てのコミュニティで、
「変なことやると恥ずかしいからやめてくれ」
と言われたり、言われずに圧力を受けたりして育ってきて、
そのたびにわりとしんどい思いをしてきました。
そういう人を「社会不適合」とよびますね。

でもここで初めて、
好きなだけやらせてもらえる環境に来れた気がしました。
ほんとはそういう環境を自分で作らなきゃいけないし、
越えちゃいけないところは自分で規制すべきなんだろうけど、
とってもありがたいです。本当に先生方に感謝。

でも好きなことやれる、っていうのは、
それだけ期待されてない、っていうことの裏返しなので、
自由な環境に甘えずにやっていかなきゃな、
っていうのがこの環境の難しいとこでもありますね。ほんとに。

たぶん好きなものを作り続けていれば、
作ることで和を乱すことよりも、
それを作ることに期待がかかるようになるだろうし、
そういう環境を自分で、自分たちで作っていきたいですね。


2つ目:イア子とマス男の茶番構造、めっちゃ使い勝手良い!

イア子とマス男っていうキャラを作ったんです。

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イア子

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マス男

イア子はフリー素材、マス男はぼくが10秒で書いたんですが、
後々IAMAS同期のデザイナーの方に書いてもらいました。
それ自体もコンテンツにしました。
(コンテンツへの執着のあまり「コンテンツおじさん」と呼ばれるようになりました)


で、このイア子とマス男なんですが、
「『IAMASを紹介する』ということを頑張る2人」というメタ構造が、
これ本当に使い勝手がいいんですよね。
ぼくは勝手に水曜どうでしょう構造」と呼んでるんですけど。

結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ

結局、どうして面白いのか ──「水曜どうでしょう」のしくみ

参考テキスト。


要は「失敗すらもネタとして成功する」という魔法の構造なんですよね。
この会話ネタ、「小野ほりでい感がある」と言われたりもしたけど、
2000年代前半のテキストサイト時代からのフォーマットだからね。
山賊UNDERGROUNDとか分かる人いるんだろうか。
ともかく、継続してネタを投下するには向いてるフォーマットだな、と感じました。


やさぐれぱんだ〈1〉 (小学館文庫)

やさぐれぱんだ〈1〉 (小学館文庫)


でも30日続けると人格が分裂しそうで辛かったです。
元から割と分裂してるんですけど。
Twitter10アカくらいあるし。いや10は言い過ぎた。
でも1人3役はさすがに結構しんどかったです。
キャラ被り気味になっちゃったし。

「自分が演じる架空のキャラで自分にインタビュー」
という荒業をやってみました


3つ目:「邪悪でないメディア」なんて無理!

うえのほうで「邪悪でないメディアを作りたいなあ^q^」
なんてpeaceなことを申しておりましたが、
まあ、無理ですよね。30日やって分かりました。

「邪悪でないメディア」が不可能だ、
と思ったのには、2つ理由があります。


1つ目は、これに限った話じゃないけど、
良かれと思ったことや、自分たちの利益になることは、
人によっては迷惑だったり不利益だったりする

というごく当たり前の話。

たとえばIAMAS卒業生がよく行く会社のこととか、
プロジェクトのこととか載せたりしたけど、
もしかしたらIAMAS関係者としたいのはこっちだけで、
「関係者にしてほしくない」と思われてるかもしれないな、

とちょっと思ったりしました。

まあこれはちゃんと裏取ればいいんですけどね。
ちょっと名前載せるだけとかで、
いちいち連絡取るのも難しいし、
連絡取るのが相当難しい相手もいるからね。
難しいところですね。


「邪悪でないメディア」が不可能と思った2つめは、
たとえどんなにちゃんと気を配っていたとしても
どうやってもケアしきれない部分がある、ということ。

基本的にメディアが嫌われるのは、
「意図と違う報道をされた」というところだと思うのです。
最近Twitterで、テレビ局の取材と放送内容が違う、
と告発する人がたまにいますよね。

で、それを避けようと、極力裏を取りながら進めました。
これ出していいですか?はもちろん、
施設などの紹介文は見てもらってから出しました。
でも、それでも難しいことってあるんですよね。



iamasokuho.gifu.jp
iamasokuho.gifu.jp


M2の方々の中間発表を載せたんですよ。
IAMASにいる人が取り組んでることを見るほうが、
IAMASのことストレートに分かるかなと思って。
もちろん製作者本人の許可をいただいております。

でも中間発表だから当然未完成で、
まだ未完成な作品をインターネットに上げるってどうなの?
という声が先生方からあったようで。
もちろんおっしゃるとおりです。
でもさすがにそこまではカバーできなかった。

これによって
「中間発表の作品をインターネットに掲載する際は、担当の先生の許可も取る」
というルールができてしまいました。
少なくともこの行動においては、
「邪悪なメディア」とみなされてしまったわけです。

ルールがつくられてしまった、ということは、
自分たちの首を締めることでもあって。
やりすぎるとルールがつくられて、首が締まる。
それは意識して、でも恐れずに、
微妙なラインを踏み越えずにやっていきたいな、と思いました。


結局、邪悪でないメディアなんて無理なんですが、
メディアが必要になる理由は、目的のもとにあって。
今回の場合は、オープンハウスに向けてIAMASを宣伝する。
宣伝するために、誰かにとっては多少邪悪にならざるをえない。

どこまでが社会的に許されるか、を見極めて、
目的を達成するために運営しなくてはならない
んですね。
メディアって大変だ。やっぱマスメディアは無理です。

小さなメディアをやることはこれからもあるだろうけど、
もちろん最低限、というかできる限り、
摩擦を生まないように全力で気を配りつつ、
目的の達成のためには多少邪悪になってでも、
やるべきことをやっていく、
と意識していかねばです。



4つめ:IAMAS結局よくわかんない!

30日やって、IAMASの情報出しまくったんですが、
オープンハウス当日、来てくださった方と話したりして、
結局全然よくわかんなくなってしまいました!
IAMASってなんなの!ほんとに!

たとえばいまIAMAS出身で有名な人で、
テクノロジーガリガリな映像つくったりしてる方もいるけど、
その方がどこかのインタビューかなにかで
「別にIAMASなんて行く必要ないよ」
っておっしゃってたようなんですよね。伝聞だけど。

で、これを聞いて、
確かに、いま世の中で流行ってることをやりたいなら、
IAMASなんて来る必要ないだろうな
、ってぼくも思いました。

実際学生は全部で50人くらいしかいないから、
流行りごとやりたいなら東京の方が絶対いいんですよね。
お金もあるし、リソースもきっとある。
たとえばクリエイティブ・コーディングあたりは、
絶対東京の方がやってる人いっぱいいるんですよ。

かつてIAMASがテクノロジーの最先端だった時代が確かにあって、
2000年前後のIAMASはそういうところだったんだと思うんですが、
いまそんなに高級なマシンパワーとか機材に依存した、
コンピュータアートとかってないじゃないですか。

だからわざわざIAMASに来る意味が薄くなってるのは確か。


じゃあなんなの?IAMAS存在価値あるの?
って話になると思うんですけど、
正直ぼくも明確な答えは持っていなくて。
でもここにしかないものは間違いなくいっぱいある、
ということは確実に言えます。

資本主義が加速していったら、「お金になるかどうか」
だけが価値判断の基準になっちゃうと思うんですけど、
IAMASが持ってる価値はそういうのじゃないと思うんですよね。
もちろんそういうのもあるけど。
この微妙な立ち位置!!

メディアアートの学校」から形を変えてきたIAMAS
アートの講義でよく出てくるのは、
アートの重要な要素は「批判・批評」だ
という話なんですが(解釈間違ってるかも)

世の中を変えるクリエイティブ、というのは、
現状を疑って新たな価値を提示することで、
初めて出てくるものであると思っていて。
それって「批判・批評」の要素ですよね。
(偉そうなこと言ってるけど素人です)

IAMASはそういう、
世の中に対する批判・批評が常に行われている。
あらゆるメディア・表現方法を活用して具現化できる。
そしてそれらを判断する目を養うことができる。

という場所のように感じています。


アメリカに巻き込まれて、資本主義に巻き込まれていく中で、
ちょっと違う幸せのありかたを提示できる可能性がある、
数少ない場所なんじゃないかなあ、
というのが、
入学から4ヶ月たって、IAMASのこと30日考え続けた、
ぼくのいまの考えです。

まーもうなんでもいいんですけどね!
自分のやることやるだけだし!
そしてアメリカに巻き込まれるのが良い悪いとか、
資本主義が良い悪いとかじゃないよ!
あしからず💁



ありがとうイアマ速報

ということで、
イアマ速報にたくさん勉強させていただきました。

いまはまだ気づかないけど、
いろいろノウハウもたまってるかもしれない。
Matsuno氏はvim操作が劇的に早くなった」
「多少のトラブルにへこたれなくなった」

とおっしゃっておりました笑

快く取材を受けてくださった皆様、
いろんな形で支えてくださった皆様、
暖かく見守ってくださった皆様、
「ちょっとどうなん?」と思ってても、
心のなかにしまっておいてくださった皆様…

感謝しても感謝しきれません。
ほんとーにありがとうございました!


またこの記事は、
IAMASやイアマ速報としての意見ではなく、
さのかずやいち個人の意見なので、
あんまり気にしないでください☆



ひとつひとつやっていくことでしかない!




♪John Gastro with PUNPEE / Traveling (PJG "Just Do It" 90s Rework)

J/Gにハマり気味