どさんこ田舎者、東京でいろいろつくる

北海道遠軽町出身、さのかずや26歳。大学院を経て、再び東京で会社員。無茶と繊細さと賢さとバランス感覚。

「地方創生」の”嘘っぽさ”と、本当にやるべきただ1つのこと

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いつか書こうと思ってたけど、書くことにする。


こんな記事を読んだ



なぜ地方は補助金をもらっても衰退するのか | 地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト



「地方にお金を落としたとしても、地方は「お金を消費する」ことはできても「利益を上げる」ことはできない。利益の上がらない事業が続くはずがないし、人も戻ってこない。だからちゃんと利益を上げる事業をつくることが必要。行政主導で利益の上げる事業なんて作れるはずがないから、民間が主体となって利益と向き合うことが必要」

という内容。至極まっとうだと思った。「お金を落とすことで『地方』を『創生』できるわけではないし、行政ができる範囲で利益の上がる事業は作れない」という部分にも非常に同意。


そもそも「地方創生」という言葉が

なんだかすごく違和感がある。嘘っぽさがある。そして「地方創生」だけでなく、「地方創生」回りに巻き起こる議論にも、とても嘘っぽさがある。上記の記事もそうだ。なにか違和感がある。



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まち・ひと・しごと創生本部 | 首相官邸ホームページより引用



言ってることはわかる。でも誰かが具体的に動いている姿、「地域」が「創生」された姿が見えてこない。

ぼくはこの違和感は、政府の施策やWeb上の議論の中に、地方の最前線で戦うプレーヤーが見えてこないことにあるのではないかと感じている。


「カネを落とす」「予算を使う」ことが目的化している

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例えば最近よく見る、都道府県など地方自治体の広告。タレントでインパクトのあるビジュアルをつくって、「◯◯◯!△△県」というテンプレにのせて、東京で広告を出す。あれにどれだけの効果があるんだろう?広告主の測定指標は知らないから、もしかしたら目的は達成してるのかもしれないけど、カネを落とすことが目的化している感は否めない。

「地方創生」のように、「カネをどう落とすか」はもちろん大事だけど、こういうマス広告に頼る手法は「カネを落とす」ことが目的になりがちで、「今後続く事業の開発」が全然見えてこない、典型的なパターン。知名度が低いから観光客が少ないんじゃなくて、マス広告では解決しきれない、もっといろいろな問題がある気がする。


結局、一番の問題は

一番の問題は、「地方が都会に搾取されている状況が、どんどん進行している」ということ、その1点にある、とぼくは考えている。より正確に言うと、田舎がビジネスでお金を取り戻せず、行政に頼る状況がどんどん進行している、ということ。

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カネを地方に落としたって、「都会の知恵が、田舎の知恵に圧倒的に勝る」という現在の状況はなかなか変わらない。カネが地方に落ちたところで、イオンがなくなって商店街に人が戻るわけじゃないし、アマゾンがなくなって街の本屋が賑わうわけじゃない。この「知恵で負けている」状況が打開されなければ、上の図のように都会が田舎を搾取して、田舎を行政が支えざるをえない現在の構造が、よりスケールアップするだけだ。地方のために使われるお金によって、都会がより一層潤う。逆説的な状況は変わらない。


どういう状況が「地方」の「創生」なのか

本当の意味で「地方」が「創生」された状態とは、現在地方から都会に吸い上げられているカネの流れが、地方と都会をフラットに、双方向に行き来するようになる状態、であるとぼくは思う。

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そのためにカギとなるのは、何らかの方法で「都会<田舎」の構造を作り出す、ということだと考えている。ごくごく当たり前の話だけど。

現在、「なんでもいいから『都会<田舎』だと言える状況を挙げてください」と言われても、「自然が豊か」「食べ物が美味しい」以外になにか思い浮かぶ人は、なかなか居ないのではないか。

ぼくがいま必要だと思っているのは、各地域において「都会<田舎」である部分をひとつでも多く見つけて、そこを突破口にして事業をつくることだと思っている。


本当にやるべきただ1つのこと。

「都会<田舎」である部分を見つけて、本当の意味で「地方」を「創生」する事業をつくるには、「都会にカネを払うのでも、田舎でカネを集めるのでもなく、都会からカネを引っ張り戻す」という強い意志を持った、田舎に本気でコミットできる知恵が必要になる。


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その「知恵」にお金をかけることこそ、「地方創生」で行われるべきことだ。

前述のような、「地方」側に意志を持った知恵の存在が必要。場合によっては、例えばぼくの地元のような、大商圏から極端に遠く、目立った特産品もなく、日本全体から見ればコミュニティの存在意義自体が薄れつつある場所などでは、都会を上回る屈強な知恵が必要になる。

既存の知恵で突破口が見つからないなら、新しい知恵を引き入れて、何らかのかたちで既存のものではない突破口を見つけ出すしかない。それが冒頭の記事でいう「民間主体で利益と向き合う」ということなんだろう。


知恵を引き入れて活性化した例。

これを行なっている「地方」は既にいくつもある。


「地方創生」主幹メンバーにも関係者が入っている島根県海士町、「地方創生」がモデルとしている徳島県神山町のように、自治体が知恵を呼び寄せる場所がある。



最後尾から最先端へ。島根の離島、海士町で見たもの。 - どさんこ田舎者、広告の会社で働く

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また、宮崎県日南市の商店街活性化のように、知恵を都会以上の高給で雇うところもある。


宮崎県日南市で商店街活性化の人材を公募【月額90万円:どげんかせんといかん】 - NAVER まとめ



他にも広告会社の取り組みとして、電通dentsu abicという組織で地域ブランディングを手がけたり、博報堂の「地域みらい大学」という、複数回のワークショップを通じて地域をプロデュースするプロジェクトがあったりなど、地方の味方となる知恵もある。


地域ブランディング・シティプロモーション dentsu abic(電通アビック)


地域みらい大学



当たり前のことなんだけど

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ただカネを落として、既存の仕組みの規模を大きくしたり、ある地域で実施している仕組みを別の地域に適用するだけでは、「地方」は「創生」できない。「地方創成」の理想像は、カネの流れが公共事業でなくビジネスによって都会と田舎の双方向になることで、「地方創生」のカネは、地方にカネの流れを引き寄せるプレーヤーのために使われるべきだ。

知恵とともに新しい事業を生み出し、軌道にのれば、真っ先に注目を浴びるだろう。そうなると、よりうまく回る可能性が高まるし、より優秀な知恵が力添えしてくれる可能性も高まる。もっと人もカネも入ってくるようになるはずだ。事業をつくることよりも、知恵を味方にすることが先ではないだろうか。

そのいかにして優秀なプレーヤーに手伝ってもらうかっていうのが相当難しいんだろうなぁ。









田舎に住んで、田舎から全国・世界飛び回って活動しまくる曽根原久司さん(ソネチャンマン)マジ尊敬してる。

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